時代小説書評_京の縁結び縁見屋の娘

時代小説書評【京の縁結び 縁見屋の娘】イケメン山伏現れて…

【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』優秀賞受賞作】 縁見屋の娘 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

京の縁結び 縁見屋の娘』三好昌子


今回紹介するのは、三好昌子「京の縁結び 縁見屋の娘」です

口入業(職の斡旋などを行う稼業)を営む京都の縁見屋には女しか生まれず、必ず26歳で死ぬ
主人公の「お輪」もそんな縁見屋の娘で、
ある日謎の修験者が訪ねてきたことで、徐々に縁見屋の過去の因縁を知ることになる…

といったお話
「このミステリーがすごい」大賞の優秀賞作品ですが、ミステリーというより
時代劇ファンタジーといった感じです
なので現世や夢を行き来しながら、RPGみたいな込み入った(悪く言えばご都合主義的な)謎に段々と迫っていく面白さがあります
そこに親子愛や恋愛、ジレンマなどが絡み、物語を引き立てます
情景描写も上手いんですよね…女性作家ならではというか、花とか季節の移り変わりの表現が
すごく綺麗で品があってスッと入ってきます
日頃こういうものに目を向けていないとなかなか書けないと思います
僕らもスマホばっか眺めてないでお外の草花に目を向ける余裕が欲しいですよね

ただ、そこはやっぱり女性向けの小説で
主人公のお輪が、突然やってきたイケメン山伏にときめく(ごめんなさい、そんな安っぽい話ではないんですけど;)、みたいなのは
男性からすると感情移入はできませんわな
(どちらかといえば男性はお輪の幼馴染の「徳次」に感情移入してしまう)
僕は物語を読むときに特定の人物に感情移入する必要などないと思ってるのでいいんですけど

そして、この小説の大きなクライマックスになるのが、
天明8年(1788年)に京都で実際に発生した「天明の大火」
この京都の大半を焼き尽くした大火事は、後で調べたところ「応仁の乱」の焼亡を上回ったとのこと
恥ずかしながら全然知りませんでした
関西のほうの歴史には疎いなぁと実感
ファンタジーとはいえ、実際の事件を上手く絡めているところがいいですね



マンガ版もあるみたいだぞっ

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