東海道を行こう[第9回]【宇津ノ谷峠】


道の駅宇津ノ谷峠(下り)

道の駅宇津ノ谷峠 下り

丸子宿から次の岡部宿に行くためには、宇津ノ谷峠を越えなければなりません
現在はトンネルがあるので車ならそんなことは気にせず通過できますが、
昔の人は山道をえっちらおっちら登っていかなければなりませんでした
とはいえ、ここも東海道…昔の人もなんとかラクチンな道を選んだはずなので、そこまで険しい山道ではないはず…
ハイキング程度の歩きやすい服装で挑みましょう

【A-1】ここは国一沿いにある「道の駅宇津ノ谷峠(下り)」
ここに車を止めて行くのがスタンダードです

注意書きにあるように、メインの駐車場はトラックなど道の駅を利用する車が頻繁に出入りするので、ハイキング目的の人は写真の奥、川沿いの道路脇に駐車しましょう

道の駅宇津ノ谷峠 下り

道の駅宇津ノ谷峠 下り

「道の駅宇津ノ谷峠」は上り(西側)にもありますが、こちらのほうが食堂もあって充実しています
峠越えのための腹ごしらえのためににぎりめしを1個買ったんですが、なぜか異様に美味かったのでオススメです
静岡おでんもありますよ

宇津ノ谷峠_蔦の細道への階段 宇津ノ谷峠_蔦の細道への階段

道の駅の敷地内に【B-1】「蔦の細道(つたのほそみち)」へ通じる階段があります
蔦の細道は、江戸時代のルートよりもはるかに古い峠越えの道です
宇津ノ谷峠は平安時代の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)が呼んだ句
「駿河なる宇津の山べのうつつにも 夢にも人にあはぬなりけり」
で、昔から暗く寂しい場所として有名でした
今回は江戸時代の道を行くのでこちらは通りません

向うに見える陸橋を渡っていきます

車に注意

宇津ノ谷トンネル

陸橋の上からは山を貫く国一のトンネルが見えます
下り車線(左)は平成10年に開通した一番新しいトンネル
上り車線(右)は昭和34年に開通した昭和第二トンネル
在原業平の時代は遠くなったなぁ…

宇津ノ谷は明治から平成まで、各時代のトンネルが揃っていることでも有名です
大正から昭和にかけては、この先の宇津ノ谷の集落の北を迂回する山道の先に
昭和5年開通の昭和第一トンネルがあり、大正トンネルとも呼ばれています

そして最も古い明治のトンネルはこれから歩いて立ち寄ることにします


宇津ノ谷の集落

宇津ノ谷の集落入口

【C-1】道路沿いに進んでいくと、宇津ノ谷集落への入口が見えてきます

きれいな石畳が整備されてます
向うに見える荒々しい山の斜面の下は谷川になっていますが、丸子宿でも少し紹介した丸子川です
丸子からずっとこの川沿いを通ってきました
丸子川は安倍川の河口付近へ注いでいる川ですが、
ここまでくるともうその丸子川の起点標識の近くです
(※起点というのは管理上のもので、そこから川が始まっているわけではなく、その上流にも川はあります)

宇津ノ谷集落 宇津ノ谷集落は町ぐるみで、昔の街並みの風景を守っていこうという取り組みを行っている場所なので、とてものどかで雰囲気がいいです
平成20年に静岡市の「景観計画重点地区」に指定されました

宇津ノ谷集落宇津ノ谷集落 宇津ノ谷集落

階段を上って、いよいよ峠道へ


宇津ノ谷峠

集落の石段を上ると分岐点があり、左に行くと「明治のトンネル」
右に行くと東海道宇津ノ谷峠越えの道になります

せっかくだから明治のトンネルを覗いてみます

宇津ノ谷峠 明治のトンネル

おおぅ……

昼なお暗きトンネル
全長203メートル、明治37年(1904)に開通しました
電灯はついてますが、こんな暗くて寂しい場所のトンネルを一人で通りたくはない
でもこの地域の人々にとっては待望のトンネルだったんでしょうね
実は帰り道に通ったんですけど(疲れてたんで)、結構な短縮になりました

宇津ノ谷峠 明治のトンネル

レンガがよく見える写真
明治期に作られたレンガの建造物はその技術力の高さと美しさが見どころです

宇津ノ谷峠 登り口 宇津ノ谷峠 登り口

では東海道に戻りましょう
【D-1】宇津ノ谷峠の登り口はこの看板が目印

宇津ノ谷峠 登り口

この登り口がちょっと暗くて不気味だけどすぐ開けた場所に出るので大丈夫

江戸時代の東海道として使用されたこのルートは
豊臣秀吉の小田原征伐の際、軍勢が通過するために整備されました
先ほど少し触れた「蔦の細道」よりも道幅も広く通りやすいので、こちらが東海道になりました
静岡県においてはあまり多くない秀吉ゆかりの遺産です

江戸時代に作られた地蔵堂跡の石垣が残っていました

倒木

蘿径記碑跡(らけいきひあと)蘿径記碑跡(らけいきひあと)

蘿径記碑跡(らけいきひあと)
蘿(ら)
という全然読めない漢字が出てきたので調べてみると、訓読みで「つた」「つたかずら」だそう
なので「蘿径(らけい)」とは蔦の細道のこと

江戸後期の駿府代官だった「羽倉簡堂(はくらかんどう)」が
すでに忘れ去られようとしていた蔦の細道の消滅を危惧して立てた碑文があった場所です
政治家であり儒学者でもあり、多くの著作を残している人物なので、文学に造詣が深かったんでしょう
普通の人が気にもとめないような古い道も、歴史的に価値があるものなら残したいというのは今の我々の考え方に通じるものがあります
(現在その碑文は峠を下りたところにある坂下地蔵堂に移されています)

それでもやはり蔦の細道の荒れ果て方は尋常ではなかったらしく、
今のようにハイキングコースとして通れるようにしたのは戦後、小学校教諭の春田鉄雄氏の活動によるものです

ふもとの道路が見えてきました
ダラダラ写真撮りながら歩いても登り口から20分ぐらいかな…

宇津ノ谷峠 坂下地蔵堂 宇津ノ谷峠 坂下地蔵堂

【A-2】峠を下りてくるとすぐに「坂下地蔵堂」があります
こじんまりとした境内ですが、手入れが行き届いていて雰囲気がいい

宇津ノ谷峠 坂下地蔵堂

境内で一服

先ほど跡地があった蘿径記碑はここにあります

藤枝市

坂下地蔵堂の脇から、国一をまたぐ歩道橋に出ることができます

次はこの道路の遥か先、岡部宿を目指します…
…ん?


藤枝市に到着!!

9回目にしてやっと静岡市を抜けることができました
中間点の清水からスタートしてなお、細かく調べていくとこれだけ時間がかかるということですね
やれやれだぜ
静岡県の中で、この藤枝・焼津・島田あたりの地域を志太地域といって、
大井川、牧之原台地に至るまで広大な平野部が広がっています

れきまん★④宇津ノ谷峠の罠!

 


岡部宿へ

道の駅宇津ノ谷峠(上り)

【B-2】ここが道の駅宇津ノ谷峠(上り)
駐車場は結構置けますが、売店は下り側に比べればこじんまりしてます

で、この写真を撮ったのは宇津ノ谷峠を登ったのとは全くの別日
あの日は調べが足りなくて宇津ノ谷から岡部まで国一を一直線で歩いてしまったんですね
東海道を歩くというテーマからすると全然甘ちゃんでした
ここらはまだ車でちょっくら行ける場所だからよかったものの…

東海道を行くには、ここからすぐの「廻沢口(まわりさわぐち)」交差点から山側の道を行かなければいけません
ちょっと行ってみましょう

【C-2】廻沢口交差点

【D-2】東海道の松を発見

 

寂れたトタンとノスタルジック看板

 

岡部川

すぐ近くに国一が通っているとはいえ、旧東海道は静かなもんです
岡部川沿いにしばらく行くとまた国一に合流します




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