マーチ博士の四人の息子

ミステリー小説書評【マーチ博士の四人の息子】

なんか無性にミステリーが読みたくなりまして…
(実はミステリーとかサスペンスは大好き…特に海外もの)
そして選んだのがなぜかこの「マーチ博士の四人の息子」
フランスの小説家ブリジット・オベールという人の作品です

表紙が素晴らしいです
単純な絵なのに、何か不気味でインパクトがある
これぞミステリーって感じ


医者であるマーチ博士とその妻には四人の息子がいて、広い屋敷に住んでいます
その屋敷に住み込みで働くメイドのジニーがある日とんでもないものを見つけます

それはマーチ博士の四人の息子のうちの一人が書いた日記で
自分が根っからの快楽殺人狂であり、幼い頃から殺人を繰り返してきた…
というものでした

しかも殺人は現在進行形で続きます

さあ犯人は四人のうちの誰だ…
というのが話の筋です

ちなみに四人の息子たちは四つ子です
ちょっと少ないおそ松くんみたいなもんです…
いや、キャラはひとりひとり違うのでおそ松さんですね
どうでもいいけど…


この小説、話の進み方がかなりトリッキーで、
日々更新される殺人者の日記と主人公ジニーの日記が交互に書かれます

ジニーもまた犯人を捜すために記録を残すことにしたのです

このジニーというキャラクターがなかなか面白い奴で、
メイドのくせに前科持ちで、さらに盗みを犯して逃亡中という曰く付き
(そのため警察に言おうにも言えないという事情がある)
さらにガラが悪く大酒飲み
日記の文体も乱暴で、感情の起伏が激しく、
犯人に煽られれば怒るし、変なテンションになったり、
この現状に対する文句もやたら多く
何もかも放棄して出ていこうとすることもしばしば

陰惨でサイコパスな殺しがある一方で、このジニーのキャラクターのおかげで
コメディチックにすら感じられることもあります

ジニーの日記も殺人者の日記も砕けた口語体で書かれますが、
とはいえ文学的かつ洒落っ気のあるリズミカルな文章なので読んでいて楽しいです


ただしちょっと話の展開に慣れてくると
進展があまりないので、ムダに長いと感じるかもしれません
しかし犯人が気になるので読み進めてしまう
最後までどういう結末になるか想像しにくいのも一因かも

かなり変わった小説が読みたければオススメです
これだけ変な小説だと一度読んだらなかなか忘れないと思います




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